大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第二小法廷 昭和29(あ)1665 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人板野尚志の上告趣意は憲法三八条違反をいうけれども、右は誤記であつて

憲法三七条一項の迅速な裁判、公平な裁判所の裁判の違反を主張するものと認めら

れる。しかし迅速な裁判の規定に反した裁判であつたとしても、他の方法により救

済を求めるは格別、それだけでは上告の理由とならないことは当裁判所の判例とす

るところであり(昭和二三年(れ)第一〇七一号、同年一二月二二日大法廷判決)、

また公平な裁判所の裁判とは構成その他において偏頗の惧れのない裁判所の裁判を

意味するものであることも当裁判所の判例とするところであつて(昭和二二年(れ)

第一七一号、同二三年五月五日大法廷判決)論旨は何れも理由がない(なお本件の

起訴は昭和二七年一〇月二〇日及び同年一二月一八日であつて、以上に対する第一

審及び第二審判決とも、特に迅速を欠いた裁判であるとは認められない)。 また

記録を調べても刑訴四一一条各号を適用すべき事由あることを認められない。

よつて刑訴四〇八条により裁判官一致の意見によつて主文のとおり判決する。

昭和二九年八月二七日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 霜 山 精 一

裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 谷 村 唯 一 郎

- 1 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!